Kon’s blog

海外の漫画やその他諸々の感想など

『OCTOPATH TRAVELER』 懐かしくもあり新鮮でもある作品

 今さらではあるけど、久しぶりにRPGをプレイして感動したので感想を書きます。 

f:id:kon_triangolo:20200426204502j:plain

出典:https://www.nintendo.com/games/detail/octopath-traveler-switch/

 

 発売は2018年なので2年ほど前。当時話題になっていたし、有名な人も評価していたような気がする。ずっと気になっていたままだったが、ようやくクリアできた。

 

 

ゲーム全体のデザイン

  やはり今時のゲームで、しかも大きい会社が作っているにも関わらず昔ながらのドット絵というのが初めは不思議だった。

 実際にプレイしてみると昔やったゲームを思い出し懐かしくなる一方で、確実に画面の感じは変わっていた。「HD-2D」というらしいが、特に背景はドット絵なのにリアルにも感じる不思議さがある。個人的な見え方は模型やミニチュアに光のエフェクトを綺麗に当てているといった感じ。

 予想以上に新鮮さが勝り、新しい場所へ行くたびに景色を楽しむことができた。

 

 戦闘に関して、自分はあまりターン制のゲームが好きではなかったので今までも手を出すことは少なかった。それこそRPGと言えばドラクエ、FFは多くの人が通る道かもしれないが、自分はテイルズシリーズしかプレイしていなかった。それどころかポケモンもまともにやったことがない。

 今回久しぶりにプレイして、アクションとは違った頭の使い方をするなと痛感した。敵も味方もしっかり技や特性を理解していないと厳しい場面が出てくる。

 さらに自分の経験が少ないだけかもしれないが、キャラクターごとに使える技が若干独特というか、長所短所がかなり明確なように感じた。攻撃技の全体単体もそうだし、特に自分にしか付与できない効果は基本全体にかけたいものだったり。最初は単体だけでもレベルが上がったら全体版も使えるようになるといったこともない。これらを解決するためには他のキャラクターのサポートや別のジョブを装備する必要がある。

 このゲームは設計的に他のキャラを仲間にしなくてもストーリーは進むし、特定のキャラだけ仲間にしてもいい。ただ、キャラごとのスキルで正道邪道があるように、敵の弱点を突くための武器や属性のことを考えても他のキャラクターを仲間にしていく必要が出てくる。それぞれの長所短所を工夫して戦闘するのは多少難しかったが、毎回組み合わせを考え、そして勝てた時は達成感があった。

 

ストーリー

 映像や戦闘システムも良かったが、自分は特にストーリーに惹かれた。

 

 特に面白いのが8人のキャラクターがそれぞれの目的を持って旅をすること、それらが他のキャラクターのストーリーと直接的に交わらないところ。 

 

 個人的なイメージでは、主人公を中心に仲間を増やし、それぞれの抱える目的や問題を旅の道中で解決、そして世界を救うといったものが一般的なRPGのストーリーだった。そこでは仲間の助けや対話が描かれ、最後には全員での協力があった。

 対してこのゲームではそれぞれのストーリーが個人的なもので独立している。他のキャラを仲間にしなくてもいいというシステムもあるくらいで、基本的に主人公同士が交流するのは酒場での会話のみ。メインストーリーはそうしたそれぞれの旅を8つ集めたような感じになっている。

 一本にまとめないことで、ストーリーの雰囲気が大きく変わってくるのも面白い。例えば商人トレサは全体的に明るく、夢を追いかけるストーリー。対して踊り子プリムロゼは復讐を求める終始重たい雰囲気で最後くらいしか気が休まらない。学者サイラスはキャラクター的にも飄々として好奇心に満ちた雰囲気。反対に剣士オルべリクは全てを失ってからかつての戦友との戦いへという熱い物語だった。

 キャッチコピーが「旅立とう、きみだけの物語へ―」だったが、まさに主人公それぞれが自分だけの特別な旅をしている。個人とその周辺にまとまった物語はコンパクトながらキャラの心情などが丁寧に描かれどれも感動できた。

 

 ただこれらの物語は全く繋がりがないわけではなく、敵として出てくる謎の団体や人物、キーワードなどが少しずつリンクしている。

 そして、8人の旅が合わさるといつの間にか世界は救われていたということがわかる。

(あくまでメインストーリーにおいて)

 メインストーリークリア時にすごいと思ったのはこのポイントで、単純に8つの話があるわけではなかった。裏に別の物語が流れていることが見えてくるにつれ、全体のストーリーが絡み合っていくのがわかる。各主人公の話は4章づつしかなくボリュームは多くないが、全てを見終わると壮大なRPGのストーリーも同時に楽しんだ気分になれる。

 

フェニスの門について

  8人の物語の裏側で起こっていたことの後日談

 

 メインストーリーで詳しく語られなかった部分が文章で語られる。8人の物語で阻止されたと思った計画が再び実現されそうになるのを止めに行くというもの。

 ここで面白いのが主人公は何一つ喋らないこと。それぞれに関わるかなり重要な情報が明かされているが、全く反応がない。

  誰が誰と旅をしたのか、その時何を言い、思ったのかはプレイヤーが決めていいということだろうか。

 メインでもパーティに仲間はいるがストーリーにまるで登場しない、ただ酒場で少ないながらも会話はあるからそもそも一人旅と決めつけなくてもいい。

 「旅立とう、きみだけの物語へ―」ということかもしれない。

 

 

 

 

その他良かったところ

  まず音楽が圧倒的に良い。

 戦闘、街、フィールドそれぞれの曲が世界に引き込んでくる。

 その中でも、章終わりで流れるキャラクターのテーマ曲は物語の締めくくりを印象的に演出していて音楽の重要性を感じる。

 作曲者の西木康智さんによる楽曲解説もnoteで見れる。クリエイターのこだわりが知れると余計に音楽を聴いたときの感動が高まる。

 

 特に好きな曲はエンディングテーマ

それまでに聞いていた曲のアレンジがメドレーになっており、最後にメインテーマに繋がる。すべてのストーリーを終えて聴くと感慨深い。

 

 キャラクターのテーマだとプリムロゼのテーマが良かった。個人的にかなり耳に残る曲。

 物語も色々なものが重なって表現されていたように思う。踊り子、復讐のための旅、それまでの人生が舞台に関係づけられ、最後は舞台から降りて新しい道を進む。ダークな雰囲気の分、最後の最後で希望が見えたのは良かった。

 その後がどうなったのかとても気になる。

 

 

 サブストーリーもかなりの数あるがやらないのはもったいない。

 誰かの行動が見知らぬ人に影響を与えていたり、日常のちょっとした出来事だったり。モブキャラにも意外な細かい設定や物語がある。

 

 

 アプリで新しいゲームが来るらしいけど、どういう感じになるんだろう。また新しい物語に触れられると思うと楽しみ。